G様ご夫妻結婚指輪

G様はヴィンテージのカレッジリングのコレクターで、奥様もカレッジリングがお好きだそうです。
WPP社の「男の指輪」をご覧になり、ヴィンテージスタイルのオリジナルのウェディングカレッジリングを・・」とのご用命を頂きました。

ただ、ヴィンテージのカレッジリングにはある問題が潜んでいます。
1860年代後半にリング全体を金型鋳造する製法が確立する以前のカレッジリングは、「石座(トップ)」のみを勲章などと同じく平面の金型で鋳造し、「アーム(リング腕部)」は石膏鋳造(ロストワックス製法)で作ったものを溶接する・・・という「頭」と「腕」を別々に作るもので、強度が非常に弱い事とサイドパネルの彫刻が出来ないなどの問題をご説明しました。

クリックすると拡大↓↓↓↓↓↓↓腕と石座の溶接部に赤線を入れています。
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デザインモチーフとして「ふくろう」「玄翁」「家紋」その他を詳細にご指定頂き、それらの要素が入れられるヴィンテージのスタイル・・を提携工場の古い型から探しました。

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しかしG様のご希望はあくまでもヴィンテージスタイルの「石無し:トップにも彫刻」です。
そこで上の型でリングを作り、石座に同素材の彫刻を別部品で作り、載せる(溶接)する事にしました。
リング腕部分を溶接で付けると指輪としての強度問題がありますが、トップ部の溶接ならその心配は無し。

詳細な打合せの上、決定したデザインは以下の通り。
Philip College Ringとしても初製作になる「ソリッドトップ(石無し:地金でトップを形成する製法)のビンテージスタイル・カレッジリング」です。

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トップに別部品を載せるという作業は、弊社でも初の試みでしたが、その難関も2度のやり直しで無事クリア。2カ月半程のお時間を頂戴しましたが、無事完成。

お届けしましたら、とてもとても喜んで頂け、お二人の装着画像もお送り頂けました。
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